檜さん

【タイトル】
 青春は変態
【著者】
 山本中学 (yamamoto chugaku)
【出版社】
 日本文芸社
【刊行情報】

 1巻

陰キャ男子と陰キャ女子

陰キャ男子高校生の杉村くん、同じく陰キャ女子高生の檜さん、相思相愛なのにコミュ障で奥手ゆえに、なかなか2人の仲は進展せず…。2人とも悶々とし、心の中で妄想と暴走が止まらないことが多いです。
陰キャによる陰キャのためのラブコメマンガには、初々しくて、青くて、甘酸っぱいものがたくさん詰まっています。

杉村くんの感情の振れ幅が魅力

杉村くんの言葉の表現力が良くて、読者としては感心したり、ツッコミしてます。高校生らしく、恋する男子らしく、陰キャらしく、童貞らしく、感情の揺れ動きが激しいです。1巻は6話分掲載されているので、各話から好きな言葉をピックアップして、その理由を書いていきますね。

第1話 当たり前の世界 1巻12P

「気になってる 女子に おれがらみで 失礼があっては いけないのだ」

この杉村くんのモノローグがめっちゃいいですよね。高校生の心の声だなぁ〜とおっさんながらに感心しています。それでは、その理由を分解して説明していきます。

①気になってる

あくまで「気になってる」という「好き」の手前段階であり、高校生が使いそうな表現なのがいいです。例えば「好意を寄せてる」などの言い回しにすると、いきなり日常感がなくなり、青春マンガ感も無くなります。

②女子

高校生は同年代の女の子のことを「女子」と言います。小学生、中学生、高校生のときは、ブログ主も「女子」と言ってました。心の声であっても、何か恥ずかしいので、「女の子」とは言えません。

③オレがらみで

あえて「オレがらみで」と言うことで、自分の存在を卑下し、陰キャで女子と疎遠なオレ、そんなイメージを一気に連想させます。
気になる女子とは絡みたいですが、絡みたくないんですよ。だって絡むとボロが出て嫌われるかもしれませんし、何かが始まって終わるくらいなら、絡まないで始まらない方がいいと思ってしまいます。いやでも、やっぱり絡みたい。こんな感じで、男の恋というものはどっちつかずの状態なんです。

④ 失礼があっては いけないのだ

気になる女子には迷惑や失礼なことはできません。高校生であっても、気になる女子には無駄に気を遣います。そしてそれは誰からも求められていませんが、責任感と使命感にあふれています。無駄に。

第2話 バイバイッ 1巻43P 

「いや檜さんこれね 違うんスよ全然」

杉村くんには隠しきれない動揺があり、これから全力で檜さんに【これはエッチな本ではなく、これはオレのものでもなく、オレのものではないのにリュックから出てきたこと】を弁明していくための、導入的な言葉ですね。
いわゆるお色気け描写のあるマンガは、少年マンガだろうが青年マンガであろうが成年マンガであっても、女子にとっては一括りで【エッチな本】です。ゆえに何をどう弁明しても、【エッチな本】【エッチな本】以外の何物でもないんですよ。
もう【エッチな本】ということを弁明するのは諦めて、そんなものを自分が持っていることを何が何でも弁明しなくてはなりません。どんなに弁論術に優れていても、論理的に完璧な説明で真実を説明できても、無理やり貸されたということが真実だとしても、【杉村くんがいまエッチな本を持っている】という事実は変わりません。

まぁ悲しくも語れば語るほど怪しくなります。

第3話 おはよっ 1巻68P

「絶対エロキモ男って 思われた……!!」

第2話でリュックからエッチな本が出てきてしまったことを、ものすごく引きずっている杉村くんの心の声です。
そうです。気になる女子に【エロい】【キモい】と思われたら終わりです。始まっていなくても終わりなんです。死活問題なんです。そういう気持ちが込められているはすなんです。

第4話 好きだよ? 1巻103P

「こんなマンガみたいな 出し方初めてです」

えー鼻血のことです。
杉村くんが保健室の先生に性教育されるという場面を実現させるためには、どうにかして保健室に行かせる必要があります。
ケガはかわいそうですし、杉村くんは健康なので貧血で目眩をおこしたりもしなさそうです。なので、比較的軽度な鼻血を出させて、保健室に行ってもらう必要があったわけです。
普通の男子高校生が興奮しただけで鼻血が出るわけなく、どうしても【ご都合主義的な部分】になってしまったので、【マンガみたいに】と強調させるために、この言葉を使ってるのだと思います。

第5話 好きの先には 1巻133P

「妄想の中で檜さんの服を 脱がせてしまった……ッ!!」

杉村くん、罪悪を感じるのはそこではありません!
だって、ふつうの男子高校生は気になる女子の妄想をするのですから。
君が反省すべきところは、檜さんのお胸のサイズを2割増し以上で妄想しているところです。だって檜さんの裸を見たことあるわけありませんし、杉村くんは童貞だから服の上からサイズがわかるとは思えません。絶対に2割増し以上で妄想してます。
そこを心の中で反省して下さい。

第6話 好きだよ 1巻162P

「…じつは ぼくもすきです すみません」

杉村くん、告白の返事が短く正直でよろしい。理由を長々と添えたりせず、自分の気持ちをストレートに伝えていて、大変よくできました。

さいごの「すみません」は、

・あまりの恥ずかしさに謝罪

・檜さんの真意に気づけなかったことへの謝罪

・こんなぼくですみません…という存在の謝罪

・この場の空気に耐えれず…なんとなく出てきた言葉

・【すみません】が杉村くんのクセ

いろいろな感情がここにはあると思いますが「すみません」と添えて締まりのない感じが、実に杉村くんらしいです。

杉村くんと檜さん、相思相愛で、2人とも気持ちを伝え合えたわけですから、晴れて交際スタートですね。ということは、2巻は初々しい高校生カップルが見れるわけですか…おっさんには眩しすぎます。でも2巻も買います。

投稿者

しめさば

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