「いまバスケマンガが熱い」ということで、バスケマンガを数作読み、第1話にどんなメッセージが込められているか考えます。2作目は「B-TRASH」です。

【タイトル】
 B-TRASH
【著者】
 夏目義徳 (YOSHINORI NATSUME)
【出版社】
 CoMax
【配信情報】
 1~8巻
【第1話の試し読み
 LINEマンガの第1話
 

友との決別から始まるバスケ

トラッシュトーク(悪口)で敵チームを乱し、味方チームにも敵を作ってしまう中3バスケ少年・嵐矢平人。周りを頼らずワンマンプレーのドリブルで切り込み、自らシュートを決めるのが彼のプレースタイルです。

案の定、中学最後の試合で負け、唯一彼の理解者である秋信優だけが全国区の黄金山高校からスカウトされます。

己の力しか信じない平人のプレー、コートにいる5人で戦おうとする優のプレー、その差がスカウトにあらわれたのです。平人と優、2人は自分が進むべき道を決めて、別々に歩き始めます。

作品のメッセージはたぶんこんな感じ

・ワンマンプレーの限界とチームプレーの可能性

・身を置く環境の重要性

・無理と言われたことこそやる意義がある

嵐矢くんはワンマンプレーで視野の狭いバスケをし、秋信くんはチーム全員でコートを広く使った全員バスケをし、2人は対照的に描かれています。中3時点でどちらが正しく可能性があるのかというと、ワンマンプレーを続けようとした嵐矢くんが間違いで、黄金山高校から声のかかった秋信くんが正しいのだと思います。

嵐矢くんは、周りが頼りにならないから不貞腐れるわけではなく、自分を信じて一人で練習を続け、試合でも自分で得点する姿勢でいます。そして試合に負ければ、他責ではなく全て自責なので、責任感は強いのです。これが彼の良いところです。今はまだ全てを自分で背負い込もうとしてしまってるだけかもしれませんけど。

チームプレーが必要となるスポーツでは、ワンマンプレーには限界があります。もちろん個々のスキルの高さも大事で、バスケと向き合う姿勢、勝利を追い求め続ける気概も必要です。当然、強豪校であればあるほど、まわりのメンバーのそれらのレベルが高いです。ゆえにどんな環境に身を置くかも重要になってきます。全国大会常連の黄金山へ行った秋信くん、普通な波南高校に行った嵐矢くん、バスケ環境の差は誰が見ても明らかです。埋めるには大きすぎるディスアドバンテージがあります。

でも嵐矢くんは無理とは諦めません。具体的なプランはわかりませんが、波南高校バスケ部で黄金山高校を倒して全国に行くつもりです。

プラスでもマイナスでもない

スポーツマンガだと、主人公がズバ抜けた才能を持っていたり、名門校に入学したりなどプラス地点からスタートすることは多いです。スタートは0のように見えますが、才能あったり名門校にいることは、周りから見たらどう考えてもプラスです。
対して、部活があっても弱小校、同好会しか無い学校、主人公がケガから再起するところからなど、マイナス地点からスタートするマンガも多いと思います。
しかしB-TRASHは±0地点からスタートです。嵐矢くんは、勉強もスポーツも普通の高校に進学するのですから、それは±0だと思うんです。嵐山くんの性格的にはプラスかもしれませんが、客観的にみたら±0です。

絶対に ムリだね

最後に秋信くんが「絶対に ムリだね」と捨て台詞みたいなことを言いますが、そうではありませんよね。そう言えば平人はやる奴だと秋信くんはわかっているからです。なので、捨て台詞ではなく、進路を別々に進む友への最後のエールみたいなものだと思ってます。

大人になると「絶対ムリ」と言われることは多くなり、その言葉に言い返すこともできず、諦めることも多くなります。ゆえに嵐矢くんの「オレにはできるって意味だな」と言い返す姿勢には憧れます。
どうやって黄金山高校に勝つのか…気になりますね。

これにて、バスケマンガの第1話にどんなメッセージが込められているか考えるシリーズは終わります。

1作目: SECOND BREAK!!

2作目:B-TRASH

3作目:つばめティップオフ!

4作目: Deep3