ジャンプって新しいものとの出会いを提供してくれるんですよね。女子高生が落語家を目指すマンガ、扱う題材は若者には縁遠いかもしれませんが…新鮮です!
そして、夢を追う、夢を叶えるために努力する、そういうところはジャンプ作品のDNAを感じます。

【タイトル】
 あかね噺
【著者】

 原作:末永裕樹
 作画:馬上鷹将
【出版社】

 集英社
【刊行情報】

 1巻 2巻
【第1席の試し読み】

父の意志を継ぐ娘の噺

父親の落語がすごいことを証明するために、
桜咲朱音(おうさきあかね)は落語家を目指します!
小学生の時にその夢を誓い、月日は流れて朱音は17歳になりました。稽古をつけている荒川志ぐまに、正式に弟子にして欲しいと申し入れを続けますが、朱音の意思は固いのに、師匠に迷いがあります。
すると師匠のもとに、寄せの出演依頼が急遽舞い込み、師匠はプロの世界の厳しさを教えるために、なんと朱音を寄席に出演させます!

落語家ってすごい

高座(寄席の舞台)で落語家は1人、誰も助けてくれず、成功しても失敗しても、全てが落語家1人の責任です。しかも、多数の聴き手の視線と圧が集中し、聴き手の多い少ないにかかわらず、プレッシャーは凄まじいと思います。まさに極限の状態とはこのことでしょう。

でも17歳の少女は、緊張を吹き飛ばし、父と師匠から学んだことを披露します。それにしても、声、表情、視線、身振り手振りの仕草、それらだけで人を魅了するって、落語家ってすごい。

落語家として20分という時間を1人で喋ることは、朱音ちゃんの息切れ具合、汗かき具合を見る限りは、相当疲れるものなのだと思います。普通に20分間しゃべり続けるのも結構疲れると思うのですが、落語家の20分はその比になるわけがありません。

男性が演じる女性の艶かしさ

荒良川魁生(あらかわかいせい)には強者が纏うようなオーラを感じ、敵というよりは切磋琢磨していくライバルに見えました。少なからず悪人ではないことは確かです。

彼の女方の芸が色っぽく見えるのは、彼が男性であり、女性以上に女性のことを研究した結果で、女性以上に女性の演技ができるんだと思います。これは女の子である朱音にはできない芸当なんだと思います。たぶん感覚的には、宝塚の人たちの男装が、男以上に格好良く感じるものに近いかと。

それにしても普段は飄々としてる男なのに、高座に上がったらまるで別人のようになるなんて…こういうギャップも落語の魅力であり、荒良川魁生の魅力なのです。

ブログ主の落語知識

ブログ主の落語知識といえば「時そば」ですね。
立ち食いそば屋の勘定で、銭貨の枚数を数えている途中で、亭主に時刻を聞いて、銭貨の枚数を1文誤魔化すことに成功するお話です。
まぁ…真面目なツッコミをすると「それって犯罪じゃん」と言いたくなりますが、それは野暮ったいです。何かこう、人を巧みに欺く美しさ、話が綺麗に整っており、「おぉ〜」と感心する噺です。

あとは、笑点の大喜利ですかね。時事ネタ、言葉遊び、シュールなネタ、子どもから大人まで気軽に楽しめるのが大喜利です。
大喜利って、お題が出され、その場で万人に受け入れられるネタを考えなければならないので、落語家の教養の高さを感じます。世の中のことを広く勉強していないと、とても思いつけませんし。

若者が落語に興味を持つきっかけに

このマンガは、17歳の女の子が落語をするという衝撃的な作品です。女の子が主人公のマンガがジャンプで連載することは珍しくないですが、落語が題材のマンガは初めてじゃないでしょうか?(勉強不足だったら申し訳ないです)
「あかね噺」の連載が始まったときは、「ヒカルの碁」「アイシールド21」などの連載が始まったときの雰囲気に近いものを感じます。今までマイナーと言われてきた業界が盛り上がって、門戸が開かれて、興味を持つ若者が増えていくのです。そして、マンガにはそれだけの力があるはずなんです!!

数年後、数十年後に、「あかね噺を読んで落語家を目指しました」とインタビューで答える落語家が絶対に現れます。その時がくるのを楽しみに待ってます。まぁまずは2巻が出るのを待ちますがね。

投稿者

しめさば

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