【タイトル】
ダイヤのA
【著者】
寺嶋 裕二(Yuji Terajima)
【出版社】
講談社
【刊行情報】
1~47巻 (完)
続編はダイヤのA act2

マガジンの野球

各少年誌の有名野球マンガといえば、チャンピオンはドカベン、サンデーはMAJOR、ジャンプはMr.FULLSWING、コロコロはドラベース、マガジンはダイヤのAですね!青春スポーツマンガとして、美しいくらい手堅い物語を展開しているかと思います。SFチックな必殺技は出てこないしですし。それにしてもこんなに長期連載になるとは…連載が始まった当初は想像もしていなかったです。長期作品って連載期間が長くなればなるほど、初期のエピソードが光りますよね?わたしは、黒士館との練習試合が最も印象に残っています。国士舘をもじって黒士館の印象も強かったですし。

滝川・クリス・優

クリス、財前、沢村、この3人が光ったのが黒士館戦ですね。クリスがマスクを持ってベンチから登場し、彼をマネージャーだと思っていた人たちの驚き、選手であるクリスを知っている人たちの驚き、周りの反応がすごく展開を盛り上げてくれました。故障で今まで眠っていた本来の力を発揮し、チームを窮地から救い、闘志溢れるそのプレーは、まさにチームの要と呼ぶべきキャッチャーの姿でした。そしてクリスを救ってくれたのが沢村栄純ですね。故障でずっとリハビリを続け腐っていたクリス、それを救ったのは長年連れ添った球友たちではなく、ヘタクソで迷惑しかかけない素人レベルの1年沢村だったんです。クリスが沢村を一人前の投手に育てるために導いていましたが、実際は、沢村の明るさがクリスを照らし導いたように見えました。

財前 直行

最初は、クリスの弱点を狙う嫌な奴みたいな雰囲気でした。相手の弱点を狙うのはスポーツマンシップ的にどうなんだという意見もあるかと思いますが、立派な作戦の一つです。そして沢村のバカ正直な姿を見て、財前は元から持っていた熱い闘志を見せてくれました。チームをけん引しなければならないという責任感があり、チームメイトから応援されるところを見ると、実は良いやつだったんだなということがよくわかります。パッと見はヤンキー感があり、口は悪いかもしれないですがね。それも財前の魅力だと思います。

クリスと財前の痙攣シーン

クリスと財前の2人の存在で、故障の辛さも描かれました。練習試合とはいえ、才能溢れるプレーで人々を魅了してました。しかし故障によるブランクで、練習試合でも満足に戦いきれないという描写がありました。クリスは右手の痙攣、財前は左ひざの痙攣を起こしてましたね。それでも2人は、今の自分にできる範囲で懸命にプレーし、読者の心を相当動かしたと思っています。